好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)

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好酸球性副鼻腔炎とは?

 
2001年に定められた難治性の副鼻腔炎

鼻汁や血液の中に好酸球(白血球の一種)が多くみられます。一般的なものと比べ治りづらく、再発性が高い副鼻腔炎です。

 

順天堂大学の調査結果では、慢性副鼻腔炎3.015人中、822人(27%)が好酸球性副鼻腔炎というデータがあり、20年前に比べ倍に増えているそうです。

 

好酸球性副鼻腔炎の特徴

患者のほとんどの両鼻に鼻ポリープが認められます。大きすぎると患者本人も気付きますが、一般的なものは外から見えず、自分で触ってもわかりません。都市部の住民に多く報告されており、環境が大きく影響しているようです。20歳以上の男性が多くを占めています。

 

詳しいメカニズムは不明ですが、好酸球性副鼻腔炎を確認された患者の多くに喘息が認められ、深い関わりがあると考えられています。

 

 

好酸球性副鼻腔炎 症状と原因

 
好酸球性副鼻腔炎の症状
  • 頑固な鼻詰まり
  • 粘着性で臭う鼻水
  • 嗅覚障害
  • 喘息

 

鼻茸(鼻ポリープ)があることで鼻詰まりが酷く、臭いのある粘調な鼻水が出ます。「篩骨洞(しこつどう)」の病変が多いため、早い段階から嗅覚障害が生じます。

 

症状は鼻の両側に現れます。進行すると好酸球性副鼻腔炎よりも厄介な「好酸球中耳炎」に至る場合もあります。

 

 

好酸球性副鼻腔炎の原因は?

一般的な副鼻腔炎は、ウイルス感染に続く細菌感染にて発症します。好酸球副鼻腔炎はなんらかの原因により、副鼻腔粘膜に好酸球が増えることで炎症を起こします。

 

これは喘息による気管支の病変に似ており、実際に成人発症型喘息の患者のなかに、好酸球性副鼻腔炎を併発する症例が多く見られます。喘息の状態が悪いと、副鼻腔炎も悪化することから深い関わりがあるとみられています。

 

好酸球性副鼻腔炎 治療方法

 
根本的な治療法が確立されていません

この病気はまだ未解明な部分が多く、根本的な治療法は確立されていません。

 

現在、重い症状はステロイドの内服が基となります。様子をみながら1ヶ月程度服用し、鼻ポリープを小さくした上で鼻茸除去の手術が行われます。

 

内視鏡下手術(ESS)にて鼻茸を切除し、その後もステロイド内服薬や局所投与と局所洗浄を継続していきます。

 

好酸球性副鼻腔炎は鼻茸を切除しても再発率が高いと言われますが、手術することによって鼻漏や鼻閉が減少し、喘息症状も軽減されるという報告も多いそうです。

 

重症患者は手術から3年経過しているなど、条件を満たされた場合のみ再手術で新たに発生した鼻ポリープを取り除く場合もあります。

 

再発予防には毎日のケアが重要

再発予防には毎日のケアが欠かせません。本来効果的な、手術療法や炎症を軽くするステロイドの経口投与(マクロライド系)を続けても再発のリスクが高いのが好酸球性副鼻腔炎です。

 

点鼻薬の使用や鼻を清潔に保つ日課を心がけ、風邪やアレルギーによる鼻炎で粘膜を傷めないようにする。特に乾燥は大敵ですので、マスク加湿器を使用して鼻粘膜を感想から守りましょう。

 

この病気になったら一生付き合う気持ちで、再発しないように日々のケアを心がける事が大事です。

 

長く耳鼻科の薬飲んでるけど・・治らない

従来の副鼻腔炎の治療を効果がないまま続けている方の中に、このタイプが潜んでいる可能性は高いといわれています。また、成人発症型喘息の患者さんの中にも、潜在患者がかなりいることが予測されます。

 

マクロライド療法を3カ月以上続けているのに効果がない場合には、大学病院などの総合病院で一度診断を受けることをおすすめします。

 

まずあなたの慢性副鼻腔炎(蓄膿症)がどのタイプなのか、きちんと診断する事が本当の治療の第一歩です。

 
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