歯性上顎洞炎とは?
歯が原因で発症する副鼻腔炎です
「歯性上顎洞炎」はむし歯や歯茎の病気が原因で発症する副鼻腔炎です。
4つの副鼻腔の中で上顎洞にのみ発生します。
歯から生じる上顎洞炎なので「歯性上顎洞炎」と呼ばれます。上顎洞炎全体の1割の方が該当するそうです。
歯性上顎洞炎の症状と原因
歯性上顎洞炎の症状
上の歯が痛みだし、痛みがある側の鼻から膿性の臭いを伴う鼻水が出てきて、頬部まで痛みが広がるのが一般的な歯性上顎洞炎の症状です。
- 歯痛
- 頬部の腫れと痛み
- 鼻漏(黄色い膿性の鼻水)
- 鼻閉(鼻づまり)
- 鼻の異臭
- 頭痛
歯性上顎洞炎の原因は
歯性上顎洞炎は上奥歯のむし歯から生じます。奥歯の根っこは上顎洞と隣接しているため、むし歯の根っこから上顎洞に菌が侵入するためです。
むし歯が無くても歯槽膿漏が進行すると、上顎洞下底の骨を溶かして原因菌が侵入したり、抜歯時に歯の根が上顎洞内に落ちて残り、病変した根が上顎洞に炎症を起こす場合もあります。
歯性上顎洞炎 治療方法
耳鼻科と歯科で治療が必要です
歯性上顎洞炎は原因である歯の治療をしなければ根治しません。症状から鼻の病気と判断して、鼻の治療を続けていても再発します。
一般的な副鼻腔炎であれば耳鼻科だけの治療で済みますが、歯性上顎洞炎の場合は耳鼻科と歯科の2箇所で治療しなければなりません。
歯科では原因となった歯の治療をおこないます。耳鼻科では上顎洞の膿の吸引と洗浄をし、抗菌薬を投与。ネブライザーで薬液吸入をおこなう治療を続けます。原因歯の治療が終われば、副鼻腔炎の症状も日毎に改善していきます。
歯性上顎洞炎の原因になる歯は、一大臼歯(きゅうし)が最も多く、次いで第二小臼歯、第二大臼歯の順です。これらの歯が痛み出したら(他の歯もちろんですが)、放っておかないで早めに治療しましょう。