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急性副鼻腔炎が慢性化するのは何故か?

 

成人では少なくても一年に2〜3回、小児では1〜8回程、ウイルスによる急性上気道炎(かぜ症候群)を発症するといわれます。

 

鼻炎症状のみでも、レントゲンを取ると画像上に高い確率で副鼻腔に陰影が生じます。

 

ウイルスによる急性副鼻腔炎は両方の鼻に生じますが、その後、ウイルス感染は自然に治癒します。しかし、その中の0.5〜2%が急性の細菌性副鼻腔炎に移行します。

 

 

副鼻腔炎の慢性化(蓄膿症)は、【ウイルス、細菌、アレルギー、局所解剖的要因、栄養、生活環境、遺伝的要因など】が関与することによって生じるとされています。

 

具体的に慢性副鼻腔炎が発症するメカニズム

  1. 鼻粘膜の浮腫による副鼻腔自然口の閉鎖
  2. 鼻汁、粘膜浮腫によって鼻腔が狭窄することで鼻腔通気が低下し、換気障害をきたす
  3. 分泌物の排泄障害に伴う貯留液成分と、副鼻腔粘膜中の浸潤細胞の過剰な機能亢進などが悪循環となる

 

また、炎症細胞から生産されたサイトカインや、副鼻腔内の酸素分圧の低下による末梢血管からの血清成分の漏出が長期にわたると、副鼻腔粘膜の不可逆性変化が惹起されます。

 

この状態が慢性副鼻腔炎と呼ばれる状態で、この時点でもはや細菌感染は主役ではなく、副鼻腔に貯留した催炎性の炎症産物が悪循環を形成して炎症を持続させています。

 

 

急性副鼻腔炎から慢性副鼻腔炎の成立図

細菌感染
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炎症細胞の浸潤
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炎症細胞からの遊離
(メディエーター・タンパク質分解酵素・細菌由来物質)
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局所に炎症惹起
(分泌細胞に働き、粘液生産亢進、粘液綿毛機能障害)
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自然口の狭窄・閉鎖
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副鼻腔の換気排泄障害
(貯留液の増加、排泄障害増強)
↓↓↓
副鼻腔に貯留液が停滞

(貯留液成分による自己損傷)
↓↓↓
副鼻腔粘膜の不可逆性変化

 

慢性副鼻腔炎の発症の契機は、細菌感染による急性副鼻腔炎であり、副鼻腔に停滞した貯留液中には炎症細胞や細菌が由来する催炎物質が存在し、これらが長期にわたり副鼻腔に貯留することによって、さらに副鼻腔における組織障害や粘液生産が亢進して炎症が遷廷化するという悪循環が生じて、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に至るとされています。

 

小児の場合は?

小児の場合、狭い固有鼻腔に加え、アデノイドによる後鼻孔狭窄や閉鎖があり、さらに鼻腔通気が障害されやすくなっています。

 

鼻かみがうまく出来ない小児は鼻水が鼻腔内に停滞しやすく、停滞した分泌物による悪循環、サイトカインによる炎症の継続と悪化が生じます。

 

特に2歳児未満の免疫学的未熟性による簡易感染も、成人に比べ反復しやすく長期化しやすい要因と考えられています。

 
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