風邪と急性副鼻腔炎

スポンサード リンク

風邪と急性副鼻腔炎の違いとは?

 
風邪について

風邪の定義に一定したものはありませんが、主にウイルス感染による鼻水、鼻詰りや咽頭痛や咳嗽(せき)といった上気道に関する局所症状と、発熱、倦怠感、頭痛といった全身症状を伴った急性の感染症です。

 

たとえば、鼻水、鼻詰まり、せきの症状があってもアレルギー性鼻炎によるものであれば、上気道炎とはいえません。この違いは全身症状の有無では判断できません。

 

かつて、米国でブタクサ花粉症が枯草熱と言われていたように、花粉症では微熱、倦怠感、頭痛などの全身症状を伴うことは日常的にみられます。したがって、これらを区別するには上気道炎は主としてウイルスなどによる急性感染症という定義が重要です。

 

風邪の病原体の種類

【ライノウイルス・アデノウイルス・RSウイルス・コロナウイルス・エコーウイルス・エンテロウイルス・インフルエンザウイルス・パラインフルエンザ・マイコプラズマ】

 

RSウイルス感染は下気道症状が主体となり、エンテロウイルスは下痢などの消化器症状が生じます。また、インフルエンザウイルスの中では、A型、B型は高熱、関節痛などインフルエンザの症状が著明となりますが、C型は弱毒性のため、風邪と診断される事が多いそうです。

 

急性副鼻腔炎について

風邪、ウイルス性上気道炎と急性副鼻腔炎の関係は、ウイルス感染により急性副鼻腔炎が生じ、その後に細菌性副鼻腔炎を引き起こすとされています。

 

副鼻腔炎診療ガイドラインでは「急性副鼻腔炎は感冒の経過中に上気道全般に生じる炎症の一環として発症することが多い」また、「ウイルス感染が発端となり、数日して細菌感染に移行する事が多い」と述べられています。

 

ARhiSグループ(他施設研究)の調査によると、急性副鼻腔炎で小児の場合、鼻汁から検出された原因病原体はウイルス単体ではなく、ウイルスと同時に細菌が検出されたものが12.2%、細菌だけが検出されたのは85.4%、どちらも検出されなかったものが2.4%と報告されています。

 

したがって、起炎病原体からみても風邪と急性副鼻腔炎は全く同じものではないことが証明できます。

 
スポンサード リンク
page top