各副鼻腔の成長

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鼻腔や副鼻腔が形成されるまで

 

鼻とよばれる器官は頭蓋前面のほぼ中央に位置し、鼻腔を形成するのは、5つの隆起で囲まれた原始口径とよばれる器官です。

 

5つの隆起は前頭鼻隆起と左右一体の上顎隆起、また同じく左右一対の下顎隆起からなり、これらが互いに融合して顔面が形成されます。

 

一方で、鼻腔を取り囲んでいる中胚葉組織は後に骨化しますが、この中には小さい上皮索が入り込んでいき、副鼻腔の原基となります。副鼻腔は鼻腔を取り囲んでいる骨の内部に存在している空洞であり、それぞれに上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞と呼ばれています。

 

副鼻腔の発育は個人差があり、各洞で発育の時期や速度、様式が異なります。

 

上顎洞

出生時の上顎洞は前後経が7~8mm程度の大きさで、鼻腔側壁で下鼻甲介のすぐ外側に位置しています。4~6歳頃までに顎骨の発育及び歯の発育、萌出とともに急速に発育していきます。7歳頃には下鼻道の中程の高さになり、12歳頃には鼻腔底の高さになります。その後、青年期にはほぼ完成するといわれています。

 

篩骨洞

篩骨洞は、胎生16週で鼻腔側壁からの粘膜の陥凹として明瞭に確認できます。生後1年を経過して除々大きくなり、2歳頃に細かい骨壁が形成され、3歳頃にはさらに増大し、個々の骨胞が発育し篩骨洞の形が明確になっていきます。その後、個人差はありますが14歳頃までにはその発育の大半を終えます。

 

前頭洞

前頭洞お原基は胎生24週頃のはじめに中鼻道の前上方端の窪みである鼻前頭陥凹から発生しますが、胎生期間中は小さな陥凹に過ぎません。その後、前頭洞の原基は生後1歳頃までに肉眼で観察できる大きさまで発育し、17~20歳までにほとんどの人が成人の大きさに達するといわれます。

 

蝶形骨洞

蝶形骨洞は、胎生16週頃に鼻腔を取り囲む鼻嚢の後上方が膨隆拡大して、そのまま蝶形骨体部に陥凹して原基となります。6歳頃までに除々に発育して初めて洞壁を形成します。その後は急速に拡大し、個人差の大きい不規則な形態をとります。

 
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