副鼻腔炎合併症「急性中耳炎」

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副鼻腔炎の合併症 急性中耳炎

 
急性副鼻腔炎になると急性中耳炎になる?

成人の場合ほとんどみられない副鼻腔炎による中耳炎という合併症ですが、就学前の幼児は注意が必要です。急性副鼻腔炎は低年齢ほど急性中耳炎の合併が多く確認されており、乳幼児ほど高い確率で合併しています。

 

合併率(急性副鼻腔炎と急性中耳炎)
  • 0~2歳:約50%
  • 3~6歳:40%
  • 6~12歳:10%以下

 

急性中耳炎に視点をあわせると、急性中耳炎で治療を行う小児の多くに急性副鼻腔炎が生じている場合が多いそうです。

 

茂原市の杉田耳鼻咽喉科医院:杉田 佳信院長において鼻治療を行った小児の耳鼻咽喉科領域の合併症の有無を調査した結果。

  • 0~2歳

    急性中耳炎:47.8%
    滲出性中耳炎:21.7%

  •  

  • 3~6歳

    急性中耳炎:41.7%
    滲出性中耳炎:12.5%

就学前の幼児の40~48%が急性中耳炎の合併があることになり、滲出性中耳炎を含めると耳疾患合併の確率は0~2歳では70%にもなり、3~6歳でも54%と高い数字です。

 

小学生の急性副鼻腔炎と耳疾患合併の確率は18.5%と減少し、年齢と共に下がっていく傾向です。中学生になると耳疾患の合併症は見られませんでした。

 

小学生でも中耳炎の合併がみられますが、中学生になると合併率が低下しています。このことから、膿性鼻漏がある小児は年齢が低いほど中耳炎の合併が高い確率で生じる事がわかります。

 

急性副鼻腔炎から急性中耳炎に

 

急性副鼻腔炎の鼻汁(鼻水)から検出された菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスの3菌種で、急性中耳炎の中耳貯留液からの検出菌は肺炎球菌とインフルエンザ菌で80%以上を占めます。

 

中耳腔は本来無菌であり、急性中耳炎の原因菌は外耳道からの侵入が考えにくく(鼓膜穿孔を除く)そのことから副鼻腔炎から急性中耳炎が波及したと考えられます。

 

本来は副鼻腔、上咽頭、中耳腔は一つの連続した解剖学的構造郡です。中耳は病原体の侵入口である鼻腔に耳管で接しているので、容易に感染しやすい構造であり、小児の場合この領域の感染症は高い確率で合併が生じます。

 
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