鼻性頭蓋内合併症とは

スポンサード リンク

副鼻腔炎 鼻性頭蓋内合併症

 
鼻性頭蓋内合併症とは?

副鼻腔炎(蓄膿症)の炎症が頭蓋内に波及する合併症です。硬膜外膿瘍、硬膜下膿瘍、脳膿瘍、髄膜炎、海面静脈洞血栓症が確認されています。原因病巣は前頭洞と篩骨洞が関与しています。

症状
  • 発熱(高熱)
  • 頭痛
  • 膿性の鼻汁

 

原因

急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎の急性増悪の炎症が頭蓋内に波及し発症します。特に前頭洞の粘膜は板間動脈と極めて薄い骨壁で隔たっていて、洞粘膜の静脈は、板間静脈や硬膜の静脈と自由に交通しており、これら静脈には弁がないので容易に逆流し、直接血行性頭蓋内感染を引き起こすとされています。

 

 

治療

耳鼻科で原因病巣である副鼻腔に対する外科処置(内視鏡下鼻内副鼻腔手術)と起因菌に対する化学療法。脳神経外科によるドナレージ手術が有効な治療法とされています。

 
 

急性副鼻腔炎由来の頭蓋内合併症は抗菌薬の進歩によって減少傾向にあります。しかし、近年でも報告例が散見されており、診断や治療が遅れた場合は重篤になりえます。

 

頭蓋内膿瘍はある程度の大きさなるまで症状が乏しいため、早期発見が困難な上に、先行している副鼻腔炎に対する抗菌薬投与によって症状が隠れてしまい、膿瘍の診断が遅れる傾向にあります。遅れることにより脳外科による手術が必要になる場合もあります。

 

日本では1911年に本疾患が確認されてからの死亡率は、抗菌薬が発達する1950年代を境に激減しています。

頭蓋内合併症による死亡率
  • 1911~1958年 91.4%
  • 1959~1999年 14.7%

 

急性副鼻腔炎だけでなく慢性副鼻腔炎の方も急性増悪によって起こりえる合併症です。死亡に至らずとも片麻痺などの後遺症もあり、注意が必要な疾患です。

 

日常、頑固な頭痛や発熱を伴う副鼻腔炎には特に注意し早期の診断、治療が必要です。副鼻腔炎(蓄膿症)と診断されたのであれば、しっかり治しましょう。

 
スポンサード リンク
page top