副鼻腔炎の症状 鼻漏と後鼻漏
鼻漏(びろう)
鼻漏とは鼻水の事です。鼻水の分泌腺は副鼻腔内にあり、ウイルスやアレルゲンなどの異物を感じると、洗い流そうと大量に鼻水を分泌します。
風邪やアレルギー性鼻炎の鼻水は透明でサラサラしていますが、副鼻腔炎の場合は、炎症で生じる膿も混ざることで悪臭をともなう黄色く粘り気のある鼻水となります。
後鼻漏(こうびろう)
鼻水が外鼻からではなく、反対側の喉(のど)に流れることを後鼻漏といいます。白血球や細菌の残骸を含む分泌液である鼻水は、喉に流れると喉の粘膜に炎症を起こし、咳(せき)の原因となります。
子供は大人に比べて鼻腔と副鼻腔の交通がよく、副鼻腔に溜まった分泌物が流れやすいため、成人と比べて長い時間鼻水が出ます。
横になると喉の方へ流れやすくなり、鼻汁が喉の粘膜に刺激を与え「ゴホッ、ゴホッ」と湿った咳(湿性咳嗽)を誘発します。炎症が酷くなると咳で眠れなくなる場合もあります。
就寝時に痰が絡んでいるような咳が数日続くようであれば、副鼻腔炎の可能性があります。耳鼻科で診てもらいましょう。
副鼻腔炎の症状 鼻閉(鼻づまり)
鼻閉(鼻づまり)
鼻呼吸は空気が鼻腔から喉へと流れます。鼻詰りは、この空気の通り道がなんらかの原因によって塞がったり、狭くなることから始まります。
簡単なものでは外鼻穴付近の「ハナクソ」もそうですが、根本的な鼻詰まり原因としては以下に分類されます。
鼻腔内粘膜の腫れ
ウイルスや細菌、アレルゲンが原因で鼻腔内粘膜が炎症をおこし、腫れることで空気の通り道を塞いでしまいます。一般的な鼻詰まり原因です。
鼻中隔彎曲症
鼻腔の左右を隔てる軟骨を鼻中隔といいます。別名「鼻の障子」と呼ばれており、幼少児はまっすぐですが、成長にともない誰でも大なり小なり曲がります。極端に曲がると鼻腔が狭まり、鼻が詰まりやすくなります。
鼻茸(鼻ポリープ)
鼻腔内粘膜の炎症が長期間続き、慢性化すると粘膜の一部から白いキノコ状のポリープが発生し、さらに酷い鼻詰まりをひき起こします。
咽頭扁桃(アデノイド)肥大
子供特有の症状で、鼻の奥のリンパ組織である咽頭扁桃の肥大により、鼻詰まりが生じます。
蓄膿症の多くの方に「鼻中隔彎曲症」と「鼻茸」が認められており、保存療法で改善がみられない場合は手術する場合もあります。
鼻漏・鼻閉の症状の注意点
鼻をすするのはダメ
鼻水は、細菌やウイルスといった異物を体外に排出するために作られます。鼻をすすると反対の喉のほうへ流れ、咳の原因となります。
また、鼻と耳をつなぐ「耳管」を通り耳から空気が抜け、鼓膜がへこんだ状態になります。この行為を繰り返すと耳に液が溜まり、中耳炎の原因となります。
鼻が詰まっている状態で思いっきり鼻をすすると、副鼻腔内に圧がかかり、頭痛や顔面痛を引き起こす場合もあるので、鼻はすすらないで、しっかりかみましょう。
鼻のかみ方に注意
はじめに口で十分に空気を吸い、反対側の鼻を押さえながら適度な強さで数回にわけてかみましょう。一度で済まそうとして強くかむと耳管に影響を与えます。
面倒くさがって両方の鼻でかむと鼻腔内の圧力が高くなり、耳管を通して中耳にまで達します。鼻をすすると同様に中耳炎になる場合があります。
特に小児は耳管は太く短く耳管の傾斜も緩やかなため、細菌などが侵入しやすく注意が必要です。やさしく鼻をかむように教えてあげましょう。