鼻炎と副鼻腔炎の違いは?

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鼻炎と副鼻腔炎って何が違う?

 

解剖学上では、鼻腔と副鼻腔は異なるため、鼻炎と副鼻腔炎は異なる疾患とされています。

 

鼻炎は鼻腔内(固有鼻腔)の炎症であり、副鼻腔炎は副鼻腔の炎症です。鼻炎と副鼻腔炎が同時期に、あるいは相前後して生じることが多いこと、日常臨床上、これら2つの疾患の境界を明らかにし、鑑別することが困難な事が多いことから、鼻副鼻腔炎と称することが多くなっています。

 

 

鼻炎の特徴

鼻炎は固有鼻腔の炎症です。鼻炎と確定する場合は、主たる炎症の部位が固有鼻腔にある場合を指します。固有鼻腔とは前鼻孔から後鼻孔に至る空間で、鼻中隔により左右2つに区切られています。

 

鼻炎の原因は感染、アレルギー、薬物、化学物質によるものと、異物によるものがあります。感染をきたす病原体として、ウイルス、細菌、真菌があります。細菌の中で特殊なものとしてクラミジア(リケッチア)、稀ですが結核(細菌)、梅毒(小児の場合は先天性)などがあります。主として固有鼻腔のみの炎症で、副鼻腔には炎症が波及しないものがあります。

 

 

副鼻腔炎の特徴

副鼻腔炎は主たる症状が副鼻腔にあるものを指します。上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞に炎症があるものをいいます。

 

原因は主として感染、アレルギー、気圧の変化(航空性)、隣接臓器の副鼻腔への炎症波及によるものなどがあります。航空性副鼻腔炎や歯性上顎洞炎のように副鼻腔のみ発症し、固有鼻腔には影響をきたさないものもあります。

 

鼻炎と副鼻腔炎は異なる臓器に発症した炎症病態ですが、感染による鼻炎が副鼻腔に波及して副鼻腔炎を発症したり、歯性上顎洞炎などの副鼻腔炎が固有鼻腔に波及し鼻炎を発症することは、感染経路が共通しているために日常よくみられる病態です。

 

また、アレルギーによる鼻炎、副鼻腔炎も発症機序が共通しています。このような場合は鼻炎、副鼻腔炎と境界を明瞭にすることは困難なため明確に鑑別しがたいのが現状なのだそうです。

 

 
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