上顎洞穿刺洗浄

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上顎洞穿刺洗浄とは?

 
副鼻腔の一つ「上顎洞」に対して直接処置できる局所療法

副鼻腔炎 上顎洞穿刺洗浄

「急性鼻副鼻腔炎のガイドライン」では、小児の重症例と成人の中、重症例の場合に推奨される局所療法です。

 

現在では急性副鼻腔炎に上顎洞穿刺をする機会は、成人・小児ともに従来より減少しましたが、現行の保存療法にて軽快しない場合に有効とされています。

 

 

上顎洞穿刺洗浄の特徴と流れ

 
直接副鼻腔内の洗浄や排膿ができる

副鼻腔内に溜まった膿は通常の吸引器具では吸えないため、薬物治療にて排膿を促進させますが、上顎洞穿刺洗浄は直接上顎洞に直接アクセスして洗浄できるため、高い効果が得られます。

 

上顎洞の蓄膿による、激しい頭痛や顔面痛に早い改善効果が望めます。

 

上顎洞穿刺洗浄の流れ

穿刺を行う前に単純X線検査やCTによって上顎洞の発育や下鼻道側壁骨の厚さなどを調べます。

 

薬を浸したガーゼを鼻に詰めて麻酔します。その後、穿刺器具(Schmidt針、京大針、葛目式)やサイノジェクトと呼ばれる専門器具で、鼻の下鼻道から上顎洞に向けて貫通させます。その後は生理食潜水で上顎洞内を洗浄し、溜まっている膿を排出させ、最後に抗生剤など薬液を注入します。

 

しかし、ネブライザーの普及や抗生剤の向上により、現在はこの治療法が行われるケースが少なくなりました。

 

戦前戦後の時代の大学教室では、まず初めに教えられる技術はこの上顎洞穿刺洗浄だったそうです。昔は一般的な治療法だったのでしょうね。

 

上顎洞穿刺洗浄はどの症例で行われる?

 

急性副鼻腔炎に上顎洞穿刺洗浄をおこなう機会は、成人、小児ともに減少していますが、現行の保存療法で軽快しない場合に有用とされています。

 

適応されるのは保存的治療で臨床症状、鼻腔所見が軽快しない場合となります。

 

急性鼻副鼻腔診療ガイドラインによると、小児の重症例でアモキシシリン(AMPC)の高用量やセフジトレン(CDTR)、セフカペン(CFPN)、セフテラム(CFTM)高用量、あるいは経口カルバペネムを内服しても改善が認められない場合に。
成人の中等症、重症は上記の小児用抗菌薬に加えて、レスピラトリーキノロンやアジスロマイシンを使用しても改善が認められない場合に上顎洞穿刺洗浄が推奨されています。

 

 

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